2017年2月7日火曜日

クリスマスと行進「アリロ」

クリスマスは正教で復活祭に次いで2番目に重要な祭日です。キリストは1225日に誕生したと言われ、ジョージアの讃美歌でもそのように歌われています。しかしジョージア正教は旧暦(ユリウス暦)を使っており、旧暦の1225日は新暦の17日にあたるので、ジョージアではクリスマスを17日に祝います。

ジョージアではクリスマスは宗教的な祭日です。6日の夜に教会で特別な礼拝が行われます。この礼拝にたくさんの人が参加します。時には人が多すぎて、教会に入れず、庭で祈りを聞くことになることもあります。礼拝は朝の4時ごろまで続きます。その後、一旦休憩してから7日の朝に再び礼拝をおこないます。朝の礼拝だけに参加する人もいます。

朝の礼拝が終わった後、信者は「アリロ」(ალილო)という歌を歌いながら町の中を行進します。行進しながら、ところどころで止まっては寄付を集めます。集まったものはその後で困っている人々に配ります。ジョージアでは「アリロ」の行進は5世紀ころから行われているそうです。ソ連のときにはなくなりましたが、ソ連が崩壊した後、90年代に現在の総主教イリア2世の提案で復活しました。

今年首都トビリシで行われた「アリロ」の行進に私も参加しました。行進はバラ広場から始まり、ルスタヴェリ大通り、自由広場、バラタシヴィリ橋、アヴラバリ広場を通り、サメバ教会に向かいます。途中で旧国会議事堂や市役所の前で止まりました。国会議員や市長が寄付するものを渡し、行進に加わりました。
行進の先頭は伝統的に牛車です。
昔は寄付をこの牛車に乗せていました。
今年の行進にも牛車が出されました。

ジョージアでは子供たちは天使で、
クリスマスは彼らの祭りであると考えられています。
そのため行進にはたくさんの子供が参加します。

羊飼いの服を着た人たちも見えます。
彼らはキリストの誕生を祝いに行った羊飼いを表しています。


キリストが誕生したベツレヘムや、
そこに東から祝いに来た博士たちなどを表すようにラクダや象、
アラブの服を着た人もいます。

赤い十字架が描かれている服は「スティカリ」(სტიქარი)です。クリスマスには白いスティカリを着ますが、着ることができるのは司祭の許可を受けた人のみです。スティカリを着た人々は礼拝や行事のとき司祭を手伝います。
 
スティカリを着た人々の行列がサメバ教会のほうを向いて
バラタシヴィリ通りに立っています。
行進がサメバ教会の庭に入ってきました。
教会の関係者はクリスマスのイコンを持って行進します。
サメバ教会

讃美歌「アリロ」