2017年4月20日木曜日

ジョージア人のお墓と墓参り

今年ジョージアでは復活祭を416日に祝いました。復活祭の次の日は墓参りをする習慣があります。今年も墓地にはたくさんの人が来ていました。

ジョージア人は普通はお墓に家族全員で参ります。復活祭の赤いゆで卵と「パスカ」と呼ばれる甘いパン、ろうそく、ワインをもって行きます。赤い卵とパスカはお墓に供え、ろうそくは火を灯して立てます。そこで亡くなった人を偲びます。ワインをコップに注ぎ、一口飲んでから残りをお墓にかけます。聖書には亡くなった人は誰でもいつか復活すると書かれています。それで、墓参りをするジョージア人は亡くなった家族や友達もいつか復活するだろうと無意識に信じながら、復活祭の喜びを亡くなった人たちと分かち合います。

ゆで卵とパスカ以外にいろいろな食べものを墓地に持って行く人もいます。それらの食べものをお墓のそばにつくられたテーブルに並べ、食べたりワインを飲んだりします。時には大人は酔っぱらって歌を歌い、子供は遊びだし、墓地はにぎやかになります。墓地で騒ぐのは恥ずかしいと考える人もいますが、亡くなった人と一緒に楽しく時間を過ごしてもいいではないかと思う人もいます。

トビリシ貯水池の近くの墓地
家族で食事をする人たち
おじいさんたちが集まって墓地で一緒に食事をしています。
友人のお墓参りでしょう。
椅子が足りなければ立ったまま、あるいはお墓の縁に座って食べる人もいます。
ところで、ジョージアでは遺体を燃やさず、そのまま棺に入れて土に深く埋めます。そのためお墓も人が横になる大きさです。お墓の上には亡くなった人の名前と生まれた年、亡くなった年を書いた石を置きます。そこに顔を描いたお墓もあれば、石像が立っているお墓、屋根がついたお墓もあります。お墓のそばに座れるように椅子やテーブルをつくることもあります。ジョージア人はお墓をきれいにし、花や植物や小さい木を植えます。

トビリシのクキア墓地
チュリップの花が咲いているお墓
私の祖父のお墓には顔が描かれています。
屋根つきのお墓
石像が立っているお墓
ジョージアでは夫婦のお墓は仕切らずそばにつくります。亡くなってから30年経てば、そのお墓の上に次の世代の亡くなった家族を入れることもできます。更に時間が経てば、墓地はだんだんいっぱいになり、新しい墓がつくれなくなります。その時には墓地を閉めます。墓地を閉めた後100年以上経ち、墓参りする人もいなくなれば、墓地を壊してもいいとされています。壊した墓地の跡に公園をつくります。たとえば首都トビリシの中心にあるヴェラ公園はこのようにできました。
 
トビリシのクキア墓地、夫婦のお墓
ヴェラ公園

2017年4月5日水曜日

ジョージア統計局のいくつかのデータ

2014年に統計局が行った調査によれば、ジョージアの人口は3 720 400人です。2002年に行われた調査では4 371 500人でした(このデータにはジョージア政府がコントロールできない地域、アブハジアと南オセチアの人口は含まれていません)。ジョージアの政治的、経済的状況は90年代と比べて安定しましたが、人口は減る一方です。原因として、出生率が低いことや、失業率が高く、外国に出稼ぎに行く人が多いことが挙げられます。2008年に起きたロシアとの戦争も悪影響を与えました。
人口の減り方
ジョージアの人口の多くは民族的にジョージア人です。その次に多いのはアゼルバイジャン人とアルメニア人です。そのほかの民族としてロシア人、ウクライナ人、クルド人、ギリシア人、ユダヤ人などがいます。ソ連時代はジョージア人以外の民族が人口の30%ほどもいましたが、ソ連が崩壊した後、ジョージアで起きた混乱で彼らの多くは故郷に帰りました。
民族の割合 (2014年)
ジョージアではキリスト教徒が一番多いです。その次はイスラーム教の信者です。キリスト教徒の中では正教徒が圧倒的に多いです。イスラーム教の信者にはアゼルバイジャン人のほかに、西ジョージアのアチャラ地方のジョージア人もいます。
 
宗教の信者の割合(2014年)
ジョージアでは人口の都市への集中は進んで、田舎に住む人より都市に住む人のほうが多いです。
 
都市と田舎に住む人の割合 (2014)

人口の世代別の内訳は以下の通りです。
年齢の割合 (2014年)
ジョージア人の平均寿命は男性は68.6歳、 女性は77.2歳です(2014年)。

ある統計学者によれば、ジョージアでは結婚平均年齢は男性は29歳、女性は27歳だそうです。以前よりだんだん遅くなっています。それとともに離婚の数は増えています。
離婚の数
ジョージアでは出生率が低く、1950年ごろ以降は子供の数は2人が普通です。しかし最近3人あるいはそれ以上の子供がいる家庭が増えています。この理由は90年代の混乱が収まって、割と安定した生活ができるようになったことです。ジョージアの総主教も人口が増えるよう働きかけ、自ら3番目に生まれた子供の洗礼を行なうと発表しました。また、聖職者にとっては避妊は罪で、ジョージアの人口を増やさなければならないという考えがあり、たくさんの子供がいる家庭があります。ジョージア人が将来も生き残ると期待したいです。
生まれた子供の数