2016年3月27日日曜日

今正教の信者にとっては心身を清める期間です

2002年に行われた調査によればジョージアの人口の8割以上は正教の信者です。

正教では大きな祭日に備えて準備する期間があります。この期間に信者は食べものの種類を制限し、自分の頭と心を悪い思想や余計な欲から清めます。この食事制限、いわゆる断食には、いつ何を食べてはいけないかについて細かい規則がありますが、大まかにいうと肉、魚、卵、乳製品、つまり動物性の食べ物を食べてはいけません。

以下に正教の主な祭日とその準備期間を挙げます。
祭日
日付
準備期間
復活祭
(イースター)
年によって変わります
4月から5月の初め)
49日間ぐらい
ペトロとパウロの日
712
7日間から30日間まで
聖母マリアの日
生神女就寝祭)
828
14日間
クリスマス
17
40日間

正教では復活祭が一番重要な祭日と考えられていて、そのための準備期間も一番長いです。今年の復活祭は51日です。準備期間は314日に始まりました。

正教では祭日の準備期間以外にもほぼ毎週の水曜日(キリストが裏切られた日)と金曜日(キリストが十字架にはりつけられた日)が断食の日です。合計すると断食の日の数は1年の半分近くにも達します。

最近ジョージアでは断食を行なう人が少なくありません。ソ連時代よりずっと多くなりました。断食を行なう人は男性より女性のほうが多いようです。ただし、ジョージアにはほかの宗教の人や無宗教の人もいます。それに正教の信者であっても断食を行なわない人もいます。このような理由で、断食を行なう人の数はおそらくジョージアの人口の半分にもならないと思います。しかし、最近スーパーマーケットやレストランでも断食を行なう人のためのメニューが用意されるようになりました。
スーパーマーケットの惣菜売り場では、
肉・魚・卵・乳製品が使われていない料理が一か所に集められ、
赤い札で示されています。

2016年3月24日木曜日

ジョージアでの花粉症

ジョージア人の間にも花粉症で悩んでいる人々がいます。しかし3月に症状がでる人はあまりいません。症状が出るとすれば主に5月から7月の間です。私の兄も5月になると花粉症の症状がでますが、原因がどんな植物の花粉であるのかわかりません。全体的に日本とジョージアで花粉症で悩んでいる人の数を比べるとジョージアのほうが少ないです。

3月になると日本で花粉症になる人はジョージアでも花粉症になります。というのはジョージアでも杉の木の花粉が同じ時期に飛ぶからです。しかし主人を見ると症状は日本にいる時と比べれば軽いようです。たぶんジョージアのほうが花粉の量が少ないのでしょう。

日本に長く住んでいると花粉症がない人も花粉症になる場合があると聞いたことがありますが、ジョージアに長く住めば花粉症はなくなる可能性はないでしょうか。


トビリシのヴェラ公園にはスギや他の針葉樹がたくさんあります。

2016年3月23日水曜日

ドキュメンタリー映画「私は国境を越えていない、国境が私を超えたのだ」

3月にプラハで行われたドキュメンタリー映画祭では、あるジョージアのドキュメンタリー映画の初上映がありました。この映画を作ったのは、近代ジョージア史に関するドキュメンタリー作品をつくっていることで知られるトマ・チャゲリシヴィリという人です。映画のタイトルは「私は国境を越えていない、国境が私を超えたのだ」(I Didn't Cross the Border: The Border Crossed Me)という興味をそそるものです。

トマ・チャゲリシヴィリはこの映画をつくるためにある村の生活を2年間にわたって撮影しました。この村は首都トビリシから40キロしか離れておらず、2008年のロシアとの戦争の時にロシアが占領した地域に接しています。ロシアは戦争が終わった後も境界線をジョージア側へずらしたので、この村の一部の畑、お墓、お祈りをする場所、村人何人かの家などが境界線の向こう側になってしまいました。映画にはこの困難な状況で暮らしている村人の生活が描かれています。

このドキュメンタリーはジョージアではまだ上映されていませんが、ニュースで流れた一つの短い場面では、村人が墓参りをしていました。村人は境界線のそばに集まって向こう側に住む知り合いを呼び出します。村人は持ってきたものを彼に渡し、それを墓に供えるよう頼みます。そして彼が墓地から戻ってくると、村人は食べものを広げ、彼にもワインを注ぎ、ジョージアの伝統に従って亡くなった人の魂のために境界線をはさんで一緒に飲みます。
トマ・チャゲリシヴィリ

2016年3月12日土曜日

春が来た!

首都トビリシはすっかり春らしい天気になりました。気温は17度まで上がり、あちこちで木がきれいに花を咲かせています。ジョージアでは、花が咲く時期は、平野であればどこもだいたい同じですが、山では平野部と比べると気温が低いので遅いです。

一番早く咲き始めるのはアーモンドの木、そしてプルーンの一種であるトケマリの木の白い花です。ジョージアには花見をする習慣がありませんが、ジョージア人にとってアーモンドやトケマリの花は暖かい春、感情があふれた季節を連想させるロマンチックなものです。

3月はジョージアで天気が一番変わりやすい時期です。暖かくて穏やかな日もあるし、急に雨が降ったり、風が吹いたり、寒くなったりすることもあります。それでジョージア人は3月について「気が狂った3月」(გიჟი მარტი) という言いかたもします。
私は息子を連れて近くの山に花を見に行きました。

街の中でもこんなにきれいに咲いています。

2016年3月8日火曜日

国際女性デー

 38日は国際女性デーで、ジョージアでも祝われています。休日です。

この日にちなんでジョージアで代表的な美女とされている三人の女性をご紹介したいと思います。時代ごとにその時代を象徴する美女がいます。第二次世界大戦前であればナト・ヴァチナゼ、戦後はメデア・ジャパリゼ、70年代から80年代にかけてはリカ・カヴジャラゼです。3人とも女優で、映画を通して国中の人気を集めました。

現在いろいろな人が美女とされていますが、後から振り返ったとき、いったい誰がこの時代を代表する美女になっているでしょうか。

ナト・ヴァチナゼ1904年-1953年)
メデア・ジャパリゼ
1923年-1994年)
リカ・カヴジャラゼ
1959-現在)

ガスプロム反対!

36日、日曜日、首都トビリシではロシアの天然ガス企業ガスプロムに反対するデモが行われました。政府庁舎から以前ロシア大使館であった建物まで人々がポスターや旗、青い風船を手に「人間の鎖」を作りました。

石油とガスに乏しいジョージアは燃料を輸入しなければなりません。現在、ジョージアは石油とガスのほとんどを隣のアゼルバイジャンから輸入しています。

最近、ジョージア政府がガスの輸入についてロシア企業ガスプロムと交渉を行っていることが明らかになりました。野党はそれを批判し、ガスプロムに反対するデモを呼びかけました。

住民は90年代にロシアから輸入されていた燃料が急になくなり、大変だったことをよく覚えています。人々は今後ジョージアがエネルギーの面でロシアに依存しないようにと、一昨日のデモに参加しました。

列に並んだ人々は、ジョージアはロシアではなくヨーロッパに近づくべきだとの思いから、EUの旗を持っています。

男性が持っているポスターには、
ソ連の赤い旗の上にプーチン・ロシア大統領とジョージアのイヴァニシヴィリ元首相、
カラゼ・エネルギー大臣、それに動物の顔が一列に描かれています。

2016年3月4日金曜日

母の日

ジョージアでは33日は母の日です。この祭日は、1991年にジョージアが独立したころ、ソ連時代に祝われていた38日の国際女性デーの代わりとして、ガムサフルディア大統領によって定められました。しかしこの二つの日は内容が違うので、人々は両方祝うようになりました。今は33日と8日のどちらも休日になっています。


母のために絵葉書をつくっている子供たち

母の日に子供がつくった葉書