2017年1月17日火曜日

お正月の食卓

ジョージアでは正月に伝統的なお祝いの料理をつくります。「サツィヴィ」、「ハチャプリ」、子豚の丸焼きなどです。正月の「サツィヴィ」は七面鳥の肉でつくります。ソースの材料はすり潰したクルミと香辛料です。「ハチャプリ」はジョージア風のチーズパイです。ホウレンソウ、ビーツ、キャベツ、豆などいろいろな野菜のクルミ和え「プハリ」もつくります。

正月の食卓には甘いものも欠かせません。伝統的なお菓子、ブドウの果汁とクルミかヘーゼルナッツでつくる「チュルチヘラ」や蜂蜜とクルミでつくる「ゴジナキ」をはじめ、ミカン、リンゴ、干柿やさまざまなキャンディー、チョコレートなどをテーブルに置きます。「ゴジナキ」はお正月にしかつくりません。

自家製のワインを出して自慢することもよくあります。

料理は1229日、30日、31日にたくさんつくり、だいたい15日ごろまで食べます。正月料理にはクルミを使った料理やお菓子が多く、胃腸に負担がかかります。そのため正月が過ぎたら素朴なスープが食べたくなります。
 
子豚の丸焼きはそのままテーブルに置くこともあります
サツィヴィは鶏肉でもできます
トビリシ、駅広場の市場 
キャンディーやチョコレートが正月にたくさん売られていました。
トビリシ、駅広場の市場、チュルチヘラの売り場
母がつくったゴジナキです。普通はひし形に切り皿に載せます。

2017年1月11日水曜日

正月の飾り「チチラキ」

ジョージアでは114日は旧暦の新年です。そこで、今日は再び正月の飾りについて書きたいと思います。

ジョージアにはクリスマスツリーのほかにチチラキという正月の飾りがあります。チチラキはもともとジョージア西部のグリア地方とサメグレロ地方の伝統的な正月飾りでしたが、今ではほかの地方でも飾られます。

チチラキはハシバミ(Corylus avellana)の木の枝で作ります。真っ直ぐな枝を下から上に向かって薄く削ります。伝統的にてっぺんに十字架や小さな円い木の皿をつけたり、キヅタの葉っぱやリンゴ、ザクロなどの赤い実で飾ります。最近はクリスマスツリーのようにリボン、赤い靴下、小さいぬいぐるみ、キラキラしたボールなどをつけることもあります。チチラキは大きいもので高さ1メートルくらいです。2012年にはグリア地方で4メートルの特大のチチラキがつくられました。

119日はキリストが洗礼を受けた日です。この日にチチラキを家から出して畑や、ブドウ園、ワイン蔵などに持っていき、今年もたくさんの収穫があるように祈ります。それからチチラキを燃やし、灰をブドウ園や畑に撒きます。

面白いことに、チチラキはアイヌ民族が儀式に使っていたイナウによく似ています。どんなつながりがあるのでしょうか。
 
トビリシ、駅広場の市場、チチラキ売り場
チチラキをつくるお爺さん
რეპორტიორი)
イナウ 
(ブログ:モミジガサの探し方

2017年1月10日火曜日

あけましておめでとうございます。

ジョージア語では「あけましておめでとうございます」は「ギロツァヴト アハル ツエルス」გილოცავთ ახალ წელს! です。これに続けて、よく「ダエスツァリト ムラヴァルス」დაესწარით მრავალს. と言います。「これからあなたがたくさんの年を迎えるように」という意味です。

30年ほど前はお正月に親しい友達や親戚にカードを書いたものでしたが、今はほとんど書かなくなりました。正月のカードを買おうとしても店には少ししかありません。その代わりに電話で済ませることが多くなりました。

11日の0時になると家族のメンバーはお互いに一口甘いものを食べさせ、「このように甘く年をとりなさい」ასე ტკბილად დამიბერდი(アセ トクビラド ダミベルディ)と言います。うちの母はいつも「ゴジナキ」をつくり、食べさせてくれます。「ゴジナキ」は蜂蜜とクルミでつくる正月の伝統的なお菓子です。

11日は皿に果物やお菓子を乗せ、近所の人々に持って行き、「あけましておめでとうございます」と祝います。家に明かりがついていれば、新年になったその夜0時を過ぎた直後に訪ねてもいいです。近所に貧しい家族がいたら、正月はさみしく感じさせないように料理と菓子をたくさん持っていきます。不幸があった家族には必ず声をかけ、今年は良い年になりますようにと祈ります。

新年に初めて家に来た人は「メクヴレ」(მეკვლე)といい、家族に運をもたらすと言われています。そのため「メクヴレ」として、前年に良いことがあった人や子供、若い人が行きます。不幸があった人は「メクヴレ」になることを遠慮します。偶然思わぬ人が「メクヴレ」になることもあります。


トビリシ、ルスタヴェリ大通り、元国会議事堂
正月の飾りとライトアップ