2016年5月2日月曜日

復活祭

5月1日、ジョージアでは復活祭が祝われました。復活祭はキリスト教でもっとも重要な祭りです。日付は正教のどの国でも同じで、春分の日以降、最初の満月の次の日曜日です。今年は日本のゴールデンウイークに当たりましたが、4月の上旬になる場合もあります。復活祭はジョージア人にとってお盆のようなものです。人々は故郷に戻って家族と一緒に過ごし、教会に行ったり、墓参りをしたりします。

ソ連時代は、政府は住民が宗教の祭日を祝わないようにしていたので、ニュースにも一切話題にされませんでした。この日に教会に行く人は特別に監視され、その人は将来仕事で昇進できませんでした。当時は日曜日以外に休日がなかったので、人々は復活祭の日に墓参りをしていました。

正教では墓参りは復活祭の後の2度目の火曜日にするべきですが、ソ連時代にできた習慣で日曜日に行く人々が今もいます。現在ジョージアでは復活祭をはさんで金曜日から月曜日までの4日間が休日で、多くの人は復活祭の翌日の月曜日に墓参りをします。復活祭に町から故郷に戻った人はそこで墓参りするために一週間も待てないので、総主教も復活祭の次の日に墓参りしてもよいと許しました。

聖枝祭から復活祭まで一週間ですが、正教徒はこの一週間に断食を特別に厳しく守ります。この一週間を水とパンだけで過ごす人もいます。教会ではイエスがエルサレムに入った時からゴルゴタの丘で十字架に張りつけられるまでの出来事を回想し、祈ります。土曜日の夜から日曜日の朝まで特別な礼拝が行われます。たくさんの人が教会に行くので、教会の中に入りきれず、教会の庭に立って礼拝を聞いている人も多いです。復活祭の日に断食が終わるため、 卵、魚、肉、乳製品を使った料理をつくって食べます。このような料理は断食の後特別においしく感じられます。

復活祭のテーブルに欠かせないのは赤いゆで卵とパスカという甘いパンです。復活祭の前の金曜日に卵を玉ねぎの皮とアカネという植物の根っこと一緒にゆでます。すると卵の殻が赤く染まります。白い卵が赤くなることはキリストが復活した奇跡のシンボルです。山の形をしたパスカは、キリストが張りつけられたゴルゴタの丘を表します。復活祭の日、子供たちは赤いゆで卵をぶつけあい、割れない強い卵を探して遊びます。この日には、人々は普段のあいさつの代わりに「キリストが復活した!」「いかにも」と言い合います。

赤いゆで卵とパスカ
復活祭をテーマにピロスマニが描いた絵「羊と復活祭のテーブル」

0 件のコメント:

コメントを投稿